有名人も注目!?ブラジリアン柔術とは?柔道の違いをわかりやすく解説!

近年、南米のブラジルを中心に人気の熱を高めているブラジリアン柔術と呼ばれる競技をみなさんご存じでしょうか。多くの有名格闘家もブラジリアン柔術に注目しており、世界大会では大きな盛り上がりも見せています。そんなブラジリアン柔術とは一体どのような競技なのか、本記事では柔道との違いなども交えて詳しく紹介していきます。
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ブラジリアン柔術って何?
ブラジリアン柔術とは、簡潔に述べると寝技を中心とした格闘技です。投げ技よりも寝技をメインとしており、関節技や締め技などを用いて相手からギブアップを奪うことを目的としています。ブラジリアン柔術では打撃が一切禁止されており、それだけに他の格闘技と比べて如何にして相手からギブアップを奪うのか、細かいテクニックや頭脳戦の側面が強いともいえるでしょう。こうした特徴からブラジリアン柔術は「身体を使ったチェス」とまで呼ばれるほど、奥深い格闘技として人気を博しました。
また、他の格闘技と比べて女性や小さな子供でも比較的楽しみやすいのも魅力の一つ。怪我のリスクが低く、格闘技初心者でも挑戦しやすい競技と言えるのではないでしょうか。
ブラジリアン柔術のルール
ブラジリアン柔術の大まかなルールは他の格闘技と変わらず、相手からギブアップを奪う1本勝ち、もしくはポイント制で勝敗が決まります。試合中マウントやバック、テイクダウンなどの技を決めることでポイントを稼ぐことができ、技の効果次第では有利になるアドバンテージも与えられます。主なポイントの概要は下記のとおりです。
- テイクダウン:2ポイント
- スイープ:2ポイント
- パスガード:3ポイント
- マウントポジション::4ポイント
- バックマウントポジション:4ポイント
またスラムやキケン技などを使用したと判断された場合にはペナルティも課せられ、こういったルールも他の格闘技と大きな違いはありません。それだけに格闘技ファンなら詳しくルールを把握しなくても楽しめる競技ともいえるでしょう。
ブラジリアン柔術の歴史について
ブラジリアン柔術の発祥は1900年初頭に台頭した日本人柔道家・前田光世氏から手解きを受けたカーロス・グレイシーがキッカケでした。カーロス・グレイシーの弟は喘息を患っており、体型が小柄だったこともあって格闘家としては非常に不利だったと言われています。
そんな弟のためにカーロス・グレイシーはテクニックや頭脳戦で勝敗を左右するグレイシー柔術を考案。そしてそのグレイシー柔術をより簡素に競技化させたのがブラジリアン柔術なのです。
ですのでブラジリアン柔術は元々身体が小さくて弱い人でも楽しめる格闘技だったということですね。
ブラジリアン柔術の帯制度は?
ブラジリアン柔術にも帯制度は存在しており、下記のように5つの階級に分類されます。
- 黒帯(最高位)
- 茶帯
- 紫帯
- 青帯
- 白帯
大会の昇段審査を経て帯が決まる柔道とは異なり、ブラジリアン柔術は試合や大会で選手が披露したパフォーマンスや成績を考慮して指導者が決める制度となっています。ですので戦績が直接帯に関係しているわけではないので、昇段の速度は選手によって大きく異なります。
最高位である黒帯に到達できる選手は極僅かであり、世界的に見ても競技人口の割にかなり少ないといえるでしょう。
ブラジリアン柔術と柔道の違いは?
合気道と柔道の違いのようにブラジリアン柔術と柔道の違いはさまざまですが、最大の相違点を挙げるとすると重心の違いでしょう。柔道は投げ技や寝技が主流である一方、ブラジリアン柔術はほぼ寝技のみとなっています。また柔道では採用されていないポイント制で勝敗が決まるのもブラジリアン柔術ならではのルールですね。
その他にも反則技の違いや道義の色のルールなども異なりますが、共通する点も多く存在します。ですのでブラジリアン柔術は柔道に比べて歴史が浅い格闘技ですが、柔道家が練習の一環として積極的にブラジリアン柔術を取り入れており、それだけにブラジリアン柔術と柔道はまさに似て異なる格闘技といえるのかもしれませんね。
ブラジリアン柔術の魅力を紹介
ブラジリアン柔術の最大の魅力といえばやはり従来の柔道や他の格闘技と比べても使用できる技が多い点で、それ故に戦い方のバリエーションが大幅に広がって奥深い戦い方や戦術が展開できる点でしょう。またキックやパンチなどの打撃が禁止されており、寝技が中心となっている競技であるため、体格差や力の差がそこまで大きく勝敗に影響しない点も魅力といえます。
こうした特徴がブラジリアン柔術の試合結果や展開の予想を難しくしている点で、戦い方やテクニック次第では小柄な選手が大柄な選手を倒すことのできるのも魅力的な点ですよね。
また柔道と比べて怪我のリスクが大幅に低く、それ故に高齢者や女性が全身運動として手軽に楽しめるのも他の格闘技にはない魅力だといえるのではないでしょうか。
ブラジリアン柔術の魅力を証明したクレベル
年々RIZINで活躍している格闘家も参戦しているブラジリアン柔術ですが、その中でも特にブラジリアン柔術の魅力を広めたと言えるのはクレベルでしょう。クレベルは2021年6月に日本最強の格闘家とも謳われる朝倉未来さんと対戦し、見事勝利を収めました。その後の会見で朝倉未来さんは「正直、クレベルの力の強さはそこまで感じなかった」と困惑した様子でコメントしていましたが、その後クレベルは「力はさほど必要はない。大事なのはテクニックなのだから」とコメント。まさにブラジリアン柔術が提唱している魅力そのもので、ブラジリアン柔術もおこなっているクレベルは力ではなくテクニックで朝倉未来さんを倒すことができると証明して見せたのです。
こうした有名選手がブラジリアン柔術に参戦して結果を出していることも、年々ブラジリアン柔術が注目度を高めている大きな要因となっているようです。
まとめ
今回の記事ではブラジリアン柔術について、魅力や柔道との違いなどを交えて紹介しましたがいかがでしたか。柔道以上に戦術的で奥深く、戦い方のバリエーションが豊富なブラジリアン柔術。年々日本でもその人気は高まっているだけに、今後ブラジリアン柔術を取り入れた日本人格闘家の飛躍にも期待したいですね。





